地主・農家が知っておきたい「相続税」の基本

jinusisouzokuzei 相続税の基礎知識

手元に現金が少なくても、土地をたくさん持っていると相続税の対象になることがあります。
そんな心配をされている地主さんや農家の方も、きっと多いのではないでしょうか。

相続税は、「不動産の評価額」も対象になるため、思った以上に高額になるケースもあります。

この記事では、地主・農家の方が知っておくべき「相続税の基本」と「今からできる対策」について、やさしく解説します。

相続税とはどんな税金?

相続税とは、家族などが亡くなったときに、亡くなった人(被相続人)の財産を受け継いだ人(相続人)にかかる税金のことです。
対象になる財産は、
・土地・建物などの不動産
・預貯金や現金
・株式や保険金
・借金などの負債
などで、合計した「遺産の総額」に基づき税金が計算されます。

遺産の総額が「基礎控除」を超えている場合、相続税が発生します。

相続税がかかるかどうかの目安

2025年現在の基礎控除額は以下の計算式で出すことができます。
3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)

たとえば、相続人が妻と子2人(合計3人)の場合は、
3,000万円 +(600万円 × 3)= 4,800万円
4,800万円が基礎控除額となるため、遺産の総額が4,800万円以下であれば、相続税はかかりません。

土地の評価が相続税額に直結!評価は“実際の価格”とは違う

「うちの土地は売ったら1億円くらいするかもしれないけど、売る予定はないから関係ない」
そう思っていませんか?

相続税では、土地は「時価(市場価格)」ではなく、「路線価」や「固定資産税評価額」などを元に一定のルールで評価されます。

都心部や住宅地に近い農地などでは、評価額が数千万円〜億単位になることもあります。

そのため、不動産を多く持っている地主さんや農家の方は、現金収入が少なくても、高額な財産を持っていると見なされ、相続税が発生することが多いのです。

地主・農家が特に注意すべきこと

土地の相続に関して、地主・農家が注意すべきことは、主に次の2点です。

1. 納税資金が足りない
「不動産はあるが、現金が少ない」という地主さんは少なくありません。
現金が少ない場合でも、相続税は原則、現金一括での納付が求められます。
土地を手放して納税資金を用意するしかない・・・
という事態に陥らないよう、早めの対策を考えましょう。

2. 兄弟・親族間でもめる
現金とは違い、農地や山林など土地は分けにくい財産の代表です。
「長男が継ぐ」「売却し現金にして分ける」など、遺産の分け方によりトラブルになるケースも多く見られます。

今から準備できること

相続税対策は早めに行うことが大切です。
まだ先の話だと思っていると、準備が間に合わなくなることもあります。
下記の対策など、できることから始めていきましょう。

・財産を「見える化」する(現状を把握)
・小規模宅地の特例や、生前贈与などの制度を知る
・遺言書や共有回避の方法を検討する
・税理士・司法書士・ファイナンシャルプランナーへ早めの相談

まとめ

地主さんや農家の方で土地を多く持っているが現金が少ないという場合、相続税の納税資金が不足し悩まれるケースはよくあります。
ご先祖から受け継いだ土地を守り続けることは簡単なことではありません。
遺されるご家族との話し合いも重ねながら、早めの対策を考えましょう。

このサイトでは、今後も具体的な対策や制度について、わかりやすく解説していきます。
次回は「農地の相続で気をつけたい3つのポイント」をご紹介します。

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